【研究者】
電気通信大学 大学院情報理工学研究科 鷲沢 嘉一 准教授
【研究テーマ】
介護の見える化:タッチングケア効果の評価
【研究期間】
2019.4.1〜2023.3.31
【研究報告サマリー】
タッチングとは、看護、介護者が患者に触れる医療行為のことであり、医療費削減のための在宅医療の推進、あるいは外出制限のある中での在宅ケアとして注目されており、本研究では、その効果を定量的に検証し、バイオフィードバック等の応用へつなげることを目的とする。
本研究では、はじめに、バイオフィードバックのため、簡易脳波計とタブレット端末を用いて脳波の可視化デバイスを開発した。次に、被験者にタスクを与え、焦り、イライラ、怒り、恐怖などの状態を誘発させた状態でタッチングを行い、その効果を脳波を用いて定量的に測定を行った。また、被験者への事後アンケートで感情状態の誘発の度合いを確認した。その結果、不快感を伴うタスクを行った場合には、脳波のθ帯域のパ ワーの増加が見られたが、タッチングを行った場合には、増加が見られないことが分かった。これはタッチングによって恐怖をつかさどる神経回路の活性化が抑制されたと考えられる。
【本助成にかかわる成果】
EEG Evaluation of the Effects of Touching Intervention on Frustrating Tasks
【本助成についての感想】
研究助成を頂き、感謝申し上げます。高齢化は、特に日本が今後向き合う重要な問題であり、助成を頂き一定の成果が得られたことは大きな意義を持つと考えます。本研究で得られた知見を基に、さらに研究を発展させていきたいと考えています。