【研究者】
北海道大学大学院 情報科学研究院 曹 洋 准教授
【研究テーマ】
感染症動向調査のための位置プライバシ保護
【研究期間】
2021.4.1〜2023.3.31
【研究報告サマリー】
本研究で、TEE技術を使ったプライバシー保護接触追跡システムを開発し、暗号化された位置情報で感染症調査を行う技術を研究した。提案システムPCT-TEEは、TEE内で暗号化軌跡データを計算し、サーバーが情報を知らない状態を保証する。さらに、「Spatiotemporal PSI」と「TrajectoryHash」という軌跡データ圧縮手法を開発した。実験結果で、提案システムが準同型暗号システムより効率的にプライバシー保護型の接触確認ができることが分かった。
Spatiotemporal PSIは、感染症追跡以外にも、プライバシー保護を重視した地理的なソーシャルネットワーキングや車載ネットワークなど、時空間データを基盤とした多くのアプリケーションに応用できる。
【本助成にかかわる成果】
- PCT-TEE: Trajectory-based Private Contact Tracing System with Trusted Execution Environment
- An Accurate, Flexible and Private Trajectory-Based Contact Tracing System on Untrusted Servers
- TEE を備えた軌跡ベースのプライバシ保護型接触追跡システムにおける付加情報の利用
【本助成についての感想】
この度は本助成を賜り、心より感謝申し上げます。KDDI財団様のご支援により、研究を円滑に進めることができました。また、研究計画などの変更に対して、迅速にご対応いただいたことに、改めて深く感謝申し上げます。