【研究者】
東京理科大学 工学部 機械工学科 橋本卓弥准教授
【研究テーマ】
震災建物のデジタル補修法に関する研究
【研究期間】
2022年4月1日~2024年3月31日
【研究報告サマリー】
日本では、毎年のように地震や水害などの自然災害が起こっており、その度に被災地域の建物やインフラをいかに早く復興・復旧するかが大きな課題となっている。一方、復旧作業の多くは被災直後の建物内で行う必要があるため、被災地の状況や余震などを考えると、作業員が現地へ立ち入り、工機・重機を使って作業をすることは危険が伴う可能性がある。
そこで本研究では、「デジタル・ファブリケーションによる鉄骨骨組の補修」を提案し、溶接ロボットを遠隔操作することにより、損傷部位を補修する方法について研究を行うこととした。そのために、まず、溶接ロボットに搭載したRGB-Dカメラを用いて、溶接部周辺の3次元形状・位置を測れるようにした。そして、遠隔操作を想定し、操作者が画像上で溶接個所を指定できるような操作インタフェースを構築した。また、建築構造の観点から、溶接やその他の補修方法により骨組全体の耐震性を向上させる方法について検討し、その効果を実験や数値解析により検証した。
【本助成についての感想】
本研究助成により、「デジタル・ファブリケーションによる鉄骨骨組の補修法」の基礎を確立することができました。この成果は、本研究助成がなければ到底成し得なかったものと考えられます。新しい研究にチャレンジする機会を頂きまして、ありがとうございました。ここに、改めて感謝申し上げます。