【研究者】
龍谷大学 先端理工学部 電子情報通信課程 木村 睦 教授
【研究テーマ】
キャパシタ素子での小型低電力脳型システム
【研究期間】
2021.4.1〜2023.3.31
【研究報告サマリー】
キャパシタ素子での小型低電力脳型システムの研究成果を行った、ミストCVD法による強誘電体材料の探索として、キャパシタ型シナプスのためのHfO2薄膜を評価し、C-V特性で最大電圧を変化させると静電容量が変化することを確認した。
脳型システムのシミュレーション・設計・試作としては、メムキャパシタと自律局所学習を用いたニューロモルフィックシステムを開発し、連想記憶の機能を確認した。また、強誘電体キャパシタ型シナプスのモデリング・脳型システムの基本設計を行い、回路シミュレーションで動作確認に成功した。脳型システムの自己学習・連想記憶動作の検証としては、強誘電体キャパシタのクロスバーアレイを備えるスパイキングニューロモーフィックシステムを構成し、回路シミュレーションで手書文字データセットMNISTの文字認識で97%というスーパーコンピュータと同等の精度を達成した。消費電力は308nJ/推論で十分にIoTに搭載できる低消費電力である。結論として、キャパシタ素子での小型低電力脳型システムを実現するために必要な原理検証を完了した。
【本助成にかかわる成果】
- 積層In-Ga-Zn-O薄膜を利用したニューロモルフィックデバイスの知的学習への応用
- Ga-Sn-O Thin-Film Memristor and Analog Plasticity Characteristic
- Application of Machine Learning to Environmental DNA Metabarcoding
- Multilayer Crossbar Array of Amorphous Metal-Oxide Semiconductor Thin Films for Neuromorphic Systems
- Switchover behavior between long-term potentiation and depression in amorphous Ga–Sn–O thin-film spike-timing-dependent-plasticity device
- 2023年第70回応用物理学会 春季学術講演会
- Development of Neuromorphic Systems and Emerging Devices: Revolutionize Artificial Intelligence with your Devices !!
【本助成についての感想】
申請書は中身を絞った内容だけでよく、そのため審査の方々は多大な負担と思いますが、申請者にはたいへん助かるシステムです。研究費の使用についても自由度があり、本研究の遂行にとてもありがたいものでした。