【研究者】
電気通信大学 大学院情報理工学研究科 三輪 忍 准教授
【研究テーマ】
次世代大規模環境における資源管理機構
【研究期間】
2020.4.1〜2023.3.31
【研究報告サマリー】
本調査研究では、次世代大規模計算環境の消費エネルギーを削減するため、電力ばらつきを考慮した資源管理機構の開発を行った。
具体的には、(1)異なる世代のCPUとGPUにおける電力/性能ばらつきの調査、(2)CUDAツールキットのバージョンの違いがGPUアプリケーションの消費電力と性能に与える影響の調査、(3)CPUとGPUの電力ばらつきを考慮したジョブスケジューリング手法の開発に取り組んだ。
(1)に関しては、計48種類のCUDAカーネルを用いることで、電力/性能ばらつきはGPUの世代やカーネルの種類に強く影響されることを確認した。(2)に関しては、4種類の異なる バージョンのCUDA ツールキットと3世代のGPUを用いることで、古いバージョンのCUDAを用いた方が性能あるいは消費電力の面で優位となるケースがあることを確認した。(3)に関しては、CPUとGPUそれぞれの電力ばらつきを考慮してCPU、GPUジョブの配置を決定するジョブスケジューリング手法を新たに開発し、提案手法はシステム全体の消費エネルギーを最大7。9%削減できることを確認した。
【本助成にかかわる成果】
・Analyzing Performance and Power-Efficiency Variations among NVIDIA GPUs
【本助成についての感想】
3年間という長期に渡って本研究課題に助成していただき、本当にありがとうございました。お蔭様で多数の貴重な知見と基礎データを得ることができました。今後は、これらの研究成果をベースに、提案する資源管理機構の実用化に向けた開発を進めていきたいと考えています。