活動報告

【調査研究助成】大阪大学大学院 久野 大介 助教の研究報告サマリーをご紹介します。

【研究者】
大阪大学 大学院工学研究科 久野 大介 助教

【研究テーマ】
光固有値伝送における低演算量固有値抽出法

【研究期間】
2021.4.1〜2023.3.31

【研究報告サマリー】

非線形光学効果の影響による伝送容量の制限を打破するために、光固有値変調方式が広く検討されている。非線形シュレディンガー方程式を逆散乱変換により解く際に現れる随伴固有値方程式の解が光固有値であり、この光固有値を変調することで、信号を伝送する。光固有値変調方式により、信号は光ファイバ中の非線形光学効果や波長分散の影響を受けなくなる一方で、受信機では1パルスごとに随伴固有値方程式を解く必要があり、計算量が膨大になる課題がある。
そこで、本研究助成では、この固有値検出の計算量を低減すべく、Sakurai-Sugiura法と呼ばれる大規模並列演算型の固有値抽出法とニューラルネットワークを組み合わせた光固有値復調手法の検討を行った。一般的に用いられるQZ法を適用したときと遜色ない復調結果を原理確認実験により明らかにし、手法の有効性を確認した。


【本助成にかかわる成果】


【本助成についての感想】

本調査研究を2年間、支援いただきまして、心より感謝申し上げます。ご支援いただいたおかけで、IEEE Journal of Lightwave Technologyへの採択をはじめ、光ファイバ通信分野におけるトップカンファレンスであるOptical Fiber Communication Conferenceにも採択されました。今後も本研究を発展させるべく、研究に励んでまいります。