活動報告

【調査研究助成】慶應義塾大学 華 金玲先生の研究報告サマリーをご紹介します。

【研究者】
慶應義塾大学 総合政策学部  華 金玲 講師

【研究テーマ】
ユニバーサル・アクセス制度の国際比較研究

【研究期間】
2021.4.1~2024.3.31

【研究サマリー】
本調査研究では、日本、中国、韓国、台湾のユニバーサル・サービスの制度的仕組みについて、ユニバーサル・サービスの概念整理、制度の対象範囲、政策プロセス、交付金・補填額の算定の4つについて文献調査、意識調査、アンケート、インタビュー調査を行った。
それらの調査の結果から、日本、中国、韓国、台湾のユニバーサルの制度的仕組みを3つの類型化できた。
(1)中国は政府主導型であり、
(2)台湾は民主主義型、
(3)日本と韓国は徹底補償型、日本モデルに料金減免をプラスして実施しているのが韓国モデルである。
といった知見が得られた。これらの比較分析と類型化を踏まえて日本のユニバーサル・サービス制度に向けて2つの提言を行っている。一つは、5G時代にふさわしい制度として携帯電話も指定対象に取り込む方向性の検討である。もう一つは、日本にとって台湾のような民主主義型な事例が参考になる。台湾では多種多様なステークホルダーが対等な立場で参加し、協働しながら課題解決にあたる合意形成という形の議論と展開が日本に必要と考えられる。


【本助成に関わる成果】
▼論文投稿
●Research on Japan’s Digital Transformation Policy in the Post COVID-19 Era

●新型コロナウィルス感染症対策の「中国方式」と情報技術

●日中韓における生成AI ChatGPTの社会的関心ーソーシャルメディアとマスメディアのタイムラインからー

▼学会発表
●ユニバーサル・サービス制度に関する国際比較研究 ―日中韓台を事例として

●中国電気通信のユニバーサル・サービス政策とその展開


【本助成についての感想】
本調査研究に助成をいただき、感謝申し上げます。コロナ禍の影響で海外出張ができない期間が長引き、調査方法などの変更が生じましたが、
本助成にて得られた知見を基に、幅広く研究を発展させていきたいと考えています。