【研究者】城西大学経済学部 教授 竹村敏彦氏(旧所属 佐賀大学 経済学部)
【研究テーマ】情報セキュリティに関する行動経済学的接近
【研究期間】2016年4月~2019年1月
【サマリー】本研究は、文献調査ならびにアンケート調査を行い、収集されたデータの分析を通じて、行動経済学の観点から情報セキュリティに起因する問題行動(個人情報の漏えいや内部不正等)が発生するか、またそれを抑止する実行可能な対策はどのようなものかを明らかにすることを目的としている。研究の結果の一部を紹介すると、(1) IoTサービスでも大きな課題となる情報漏えいにつながる行動は個人属性よりも、その個人の直面している組織風土に影響を受けることなどを明らかにした。また、ルールの整備も重要であるが、ルールを破ったときに厳罰化を行うことは必ずしも有効に働かないことも確認した。(2)(普遍的)倫理意識を高めることが悪意のある投稿を抑止することにつながることを定量的に示した。(3) IoTサービスの利用者である個人のプライバシー情報の価値の測定の結果、神的被害を貨幣価値で測ると 約15,486円、実被害については約37, 407円になること等を示した。
*竹村先生におかれましては、2019年4月より、城西大学経済学部に教授として着任なさいました。今後のご活躍をお祈りいたします。