当財団は、他のコンサルタントとコンソーシアムを組み、カンボジア国の通信事業者であるテレコムカンボジア(TC)社と、メコン地域の通信基幹ネットワークの整備事業に係わるコンサルティング業務契約を締結し、2007年12月からコンサルティング・サービスを実施しています。
今回は、本プロジェクトで据え付け工事を実施している南部伝送ルートの中継局の電源設備をご紹介します。中継局は建設中ですが、完成後の局舎には電源設備として、バッテリ-(-48V/1500AH)2基が現用・予備構成で設置されることになります。
カンボジアの南部ルーラル地域は、ベトナムからの電力供給により、安定した商用電源が普及しつつありますが、停電時の対策として、中継局舎には、蓄電池+自家発電機を組み合わせた電源設備が設置されます。
カンボジアでは、夏季に気温が40度近くになることが日常的にあり、この高温がバッテリーの寿命を縮める主たる原因となります。中継局(10局分)の高価なバッテリーを交換すると、10局もあるため保守費もかさみます。このため、今回のプロジェクトでは、バッテリーの品質と設置環境に工夫を施し、バッテリーの寿命を縮める要因を取り除いています。
その工夫として、テレコム・カンボジアは、コサルタントの助言により、JICAの無償基金協力で建設された、プノンペン市のアンコールセンターで実績のある日本メーカの長寿命なバッテリー、並びに、近年の主流の密閉型バッテリーを採用し、更に空調(A/C)をバッテリー室に併設する事により、バッテリーが一番長持ちする室温(25度)での運用を実現し、将来のバッテリー置換周期を延長し、費用(保守費)を抑制しています。
今回、2016年3月18日に視察した、電源設備(写真1,写真2、写真3)の様子は下記のとおりです。
図1 南部の中継局舎に設置された(日本メーカのバッテリー) No.1系(-48Vx1500AH)
図2 南部の中継局舎に据え付け工事中(日本メーカのバッテリー)No.2系(-48Vx1500AH)
図3 南部の中継局舎に据付工事中のデーゼル発電機(50KVA)
以上