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【カンボジアレポート】ティー・チアン一座の活動報告2023(4月~ 6月)

カンボジアの伝統芸能である大型影絵芝居「スバエク・トム」を継承し、活動を続けているティー・チアン一座から2023年度4月~6月の活動報告が届きましたのでご紹介します。

4月半ばごろから雨季に入り、雨が続くと練習場の周りが浸水したり、外で焚火の灯りを使って影絵の演技を上演することが厳しくなりますが、一座のみなさんは、そんな悪条件でも演技を磨くために練習に余念がありません。上演を見に来てくださる観客のみなさんに喜んでいただけることが何よりの励みになっています。


▼影絵芝居スバエク・トムの練習▼
毎週末、物語に登場する人物ごとの動きを練習しています。また、楽士の 1 名が「語り」に関心をもったことから、散文と韻文の語りの練習も始めています。3 週間をかけ、音楽に合わせてスムーズに動けるようになってきました。

語りの練習

練習風景

▼村の人々に向けての上演▼
バコン郡ミアンチェイ村にあるバンテアイ・ルッサイ寺で、新しい講堂の開所式と僧正の就任式のイベントにおいて上演を行いました。多くの観客の皆さんが最後まで座って鑑賞してくださいました。

バンテアイ・ルッサイ寺入口の門

一座ラインナップと座って上演を見る大勢の観客

バコン郡バコン村のロレイ遺跡内にあるロレイ寺の釈迦誕生節の儀礼イベントでも上演を行いました。
村のお年寄りたちの中にはスバエク・トムをまったく見たことがないという人たちもいて、もっと見たかったという声がありました。人々が、スバエク・トムに興味を持ってくれているのがわかり、私たちはとてもうれしく思いました。

ロレイ遺跡

▼影絵用人形制作について▼
ティー・チアン前師匠から引き継いだ人形の中には、ネズミに食われるなどで大きく損壊し作り直さねばならなくなっているものがあります。そのため、良質な牛の皮を探して購入、処理し、乾燥させて、人形制作に備えています。下の「レアク王子」の人形は彫りあがったばかりのものです。

人形制作のために処理した牛皮

新たに制作した人形「レアク王子」