【研究者】
早稲田大学大学院 アジア太平洋研究科 三友 仁志 教授
【研究テーマ】
「コネクテッド」の社会実装研究
【研究期間】
2019.4.1〜2022.3.31
【研究報告サマリー】
新型コロナ感染拡大により、想定していた国際的研究体制を組むことができなくなったため、分析対象を拡大する内容の計画変更を認めていただき、下記3テーマについて研究を行った。
①自動運転の経済学的分析:自動運転に必要な社会的プラットフォームはユーザ間のネットワーク効果およびデータの相互依存の点でデータネットワーク効果に影響される。複雑な相互依存関係を、主に経済学の視点から分析した。
②「新型コロナウイルス接触確認アプリ(COCOA)」の普及分析:コロナ禍において活用されたデータプラットフォームとしてCOCOAの普及を分析し、問題点を明らかにした。日中韓の接触確認手法を比較し、厚生労働省が発表するデータに基づき、COCOAの普及の状況、要因を分析した。
③携帯電話事業者の効率性に関する国際比較分析:「コネクテッド」実現に寄与するネットワーク提供者としてのモバイル通信事業者に関する効率性について、OECD加盟国モバイル通信事業者を対象にData Envelopment Analysis (DEA)手法を用い、効率性フロンティアの視点から国際比較分析を行った。
・Constantine Bielov, Hitoshi Mitomo and Heikki Hämmäinen (2022), Efficiency frontier of OECD MNOs: Multinational vs Domestic, Telecommunications Policy, Volume 46, Issue 5, June 2022, 102344.
・三友仁志(2021), 「新型コロナウイルス接触確認アプリはなぜ効果を発現できないか―社会アプリケーションの普及と活用における課題」、『情報通信政策研究』、第5巻第1号、pp. I-15~I-31
【本助成についての感想】
3年間の研究助成により、標記の研究テーマに基づき、相応の成果を達成することができました。本助成をいただいたことに、心からの謝意を表します。新型コロナ感染拡大により、申請時に想定していた海外研究調査ができなくなり、研究内容の変更を余儀なくされましたが、財団には、分析対象を拡大する内容の計画変更を柔軟に認めていただきました。