【研究者名】奈良先端科学技術大学院大学・情報科学領域 准教授 笹部 昌弘
【研究テーマ】制御可能なP2Pストリーミング配信
【研究期間】2016年4月1日 ~ 2019年3月31日
【サマリー】ストリーミング配信では、高レートかつ継続的なデータ転送が必要となるため、ユーザ数の増加に対して配信サーバがボトルネックになる傾向がある。P2P技術の導入により、サーバに加えて各ユーザ端末(ピア)が受信したコンテンツの断片(ピース)を別のピアに送信することで、この問題を緩和できる。一方で、他のピアへのピース提供には自身の回線容量を消費するため、ピースを提供しようとしないフリーライダーの存在が大きな課題となっている。このような問題に対して、ゲーム理論におけるTit-for-Tat (TFT)戦略を導入することで、ピア間の等価なピース交換を促す仕組みがBitTorrentを始めとした既存システムで導入されている。本研究では,このようなTFT制約とサーバのピースやピアの送信戦略を適切に組み合わせることで、サーバがP2Pストリーミング配信を間接的に制御できること、また、最適な配信を実現可能なP2Pネットワークの構造などを明らかにした。
*笹部先生の今後のご活躍をお祈りいたします。