国際協力事業

カンボジアン・ハープ

先日、日本でスーパー猛暑日が叫ばれる中、出張でカンボジアシェムリアップに行きました。シェムリアップの空港を出た瞬間、暑くない。。。と感じたのは、東京の暑さで感覚が麻痺していたせいでしょうか。

相談事があり、小さな美術スクールを訪問したところ、ちょうど日本語教室の真っ最中だったのでちょっと参加しました。「あなたの趣味は何ですか?」「私の趣味は xxx です。」の練習を交互に行っていました。財団のチャリティコンサートのチラシにイラストを提供してくださった最初の生徒さん、ハイ・チューンくんがクラスに参加していたので「あなたの趣味は何ですか?」と聞いたところ、「私の趣味はカンボジアン・ハープを弾くことです。」との答えがありました。カンボジアン・ハープ???「アイリッシュハープのような形?」「それは西洋のハープ。」「大きさは?」「このぐらい。」と手で大きく示すもののよくわからず、インターネット画像を探しましたがうまくヒットしませんでした。そこでハイくん、「明日の朝、スクールに来られるならハープを持ってきます。」と言ってくれました。

翌日の午前中は絵画クラスがあり、ハイくんはそのクラスの先生でした。ちなみにこの日出席していた子供たちは横浜で開かれる展覧会出展に向けて作品を仕上げているところで、ハイくんもいろいろアドバイスをしていました。生徒も先生もどんどん成長しています。さて、カンボジアン・ハープ。形はミャンマーのハープに似ています。ハイくんの弾くハープの音色を聴いて絵を描いていた子供たちも思わず手を止め、知っている曲は音楽に合わせて歌っていました。さらに、ハイくんの作品に描かれていた瓢箪と弦1本だけの楽器が話題になると、これも持ってきてくれて、つかのまの間、アートスクールがミュージックスクールになったようでした。

カンボジアン・ハープを演奏するハイくん
子供たちも弦をつま弾いていました。
これもカンボジアの民族楽器。胸に当てている部分は瓢箪で、弦は1本だけです。ただ弦をはじくだけでなく、指の腹でニュアンスを出すようで、とてもむずかしそうでした。

ハイくんのイラストはチャリティコンサートクラシック2013のプログラムに使わせてもらったのを始めに、その後も財団の制作物には何度も登場しています。小さな美術スクールで絵を勉強し、海外の展覧会でも多くの賞を取っています。初めて会ったころは「ハイくん」でしたが、今や本当は「ハイさん」、「ハイ先生」かな。