活動報告

横浜国立大学 四方 順司教授の研究サマリーをご紹介いたします

【研究者】横浜国立大大学院環境情報研究院 四方 順司教授
【研究テーマ】情報理論的に安全な高機能暗号技術の研究
【研究期間】2015.4.1〜2018.3.31
【サマリー】現在の多くの暗号技術の安全性は、計算困難な数学的問題(素因数分解問題等)に依拠しているため、時間が経てば危殆化の問題が生じ、長期的な安全性を保証することが困難である。本研究では、計算困難性を仮定せずに、情報理論的安全性の立場から、暗号・認証技術における高機能性(アグリゲート機能、匿名化機能、高セキュリティ機能)を実現する研究を行った。特に、情報理論的安全性の立場から、世界で初めて「順序付きアグリゲート認証」、「検索可能暗号」の数理モデル及び安全性の定式化を示し、それを効率的に実現する構成法を示した。また、高セキュリティ機能に関連して、利用する乱数に偏りがある場合の認証技術を発展させた。以上より、本成果は、情報理論的安全性の観点から、時代の計算機技術に依存せず原理的に安全で高機能な暗号・認証技術の発展に貢献できたと考え、本成果が今後の情報通信におけるセキュリティ構築に役立つことを期待したい。

※四方先生のますますのご活躍をお祈りいたします