国際協力事業

海外便り(その2): 変貌を遂げる中国(上海)、上海マグレブ乗車について

本年6月に、カンボジアのODAプロジェクトのコンサルティング・サービスを提供しているテレコム・カンボジア職員(お客様)を引率して、新規導入する伝送設備、ルータの工場立会検査のため、アルカテル・ルーセント上海ベル(中国)を訪問した。お客様にとっては、慣れない工場立会試験であったが、コンサルタント立会のもと、アルカテル・ルーセント上海ベルでの工場立ち会いを無事終了し、帰国して戴いた。(工場立ち会い、風景を写真2~4)に示す。

その際に、中国版リニアモータカーの上海トランスラピッド(上海マグレブ)と言う乗り物に、上海浦東(プドン)国際空港から上海市内(竜陽路駅(リュウヨウロ駅))まで乗車した。この磁気浮上列車は、上海市浦東新区にある上海地下鉄と上海トランスラピッド駅までの29.8kmを営業運転している。通常、上海空港からタクシーで、市内のホテルまで移動すると1時間程度掛かるのだが、マグレブを利用すると8分程度で、市内の竜陽路駅に到着する。今回、カンボジアからのお客様と初のリニアモターカーに体験乗車した。営業運転最速の501Kmを体感できると期待していたが、発車しても時速60kmと速度がなかなか上がらない、車輪で走行している様なガタガタ音がする、加速するにつれ、左右にガタガタと小刻みに揺れ、大丈夫なのかと冷や汗をかいた。高架鉄道の両サイドには、それぞれ100m程度の不気味な緩衝地帯があり、建物の建築、人の立ち入りが制限された荒れ地とのこと。これも、最高速度で走行するためのバッファーゾンーンと思いつつ、車内の速度計(写真1)に目を向けると、なんと301Kmしか出ていないではないか?(リニアモータカーなのに、日本の新幹線とほぼ同じ速度ではないか?)中国の友人(Mr. Mars)に尋ねると晴天の日は、もっと速度が出る、天気(曇り)のせいだろとの返事が返ってきた。なるほど、天気で速度を変えるとは、なんと中国は大雑把とは思ったが、後で調べたところ、430kmで走行する時間帯があるらしいが、430kmは更に横揺れがひどくなるらしい。これも中国流の運用かと、国民性の違いを考えさせられる上海訪問であった。

(写真1)時速301Km で走行する上海マグレブ(何故501kmじゃないの?)
(写真1)時速301Km で走行する上海マグレブ(何故501kmじゃないの?)
(写真2)アルカテル・ルーセント上海ベルの工場立会検査の受付風景
(写真2)アルカテル・ルーセント上海ベルの工場立会検査の受付風景
(写真3)ルータの工場立会試験(テストデータを確認するKDDI財団職員(2名))
(写真3)ルータの工場立会試験(テストデータを確認するKDDI財団職員(2名))
(写真4)工場立ち会い検査でややお疲れ気味のテレコム・カンボジアのお客様
(写真4)工場立ち会い検査でややお疲れ気味のテレコム・カンボジアのお客様
写真5)工場立会検査でデータを確認する、テレコムカンボジアのルータ担当者
写真5)工場立会検査でデータを確認する、テレコムカンボジアのルータ担当者