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活動報告

【調査研究助成】国立情報学研究所 岡田 仁志 准教授の研究報告サマリーをご紹介します

【研究者】
国立情報学研究所 情報社会相関研究系 岡田 仁志 准教授

【研究テーマ】
CBDCの構造にみる通貨高権の集中と分散

【研究期間】
2022.4.1〜2025.3.31

【研究報告サマリー】
本研究はブロックチェーンの登場を契機とした通貨体制の変革をとらえ、中央銀行デジタル通貨(CBDC)に関する各国の戦略を分析した。通貨高権の集中と分散を巧みに操る超大国と、自国通貨を維持するためにブロックチェーンを活用するアジア諸国との関係性に着目しながら、国際通貨体制の変化を読み解いた。各国が長期戦略として集中または分散のいずれの方向性を指向しているかを特定するためのヒントとして、BISのマネーフラワーに照らしてCB口座に近い設計を選択しているか、あるいはCBトークンに近い設計であるかを比較分析した。その結果、金融包摂を目標とする開発途上国と、デジタル経済圏の興隆を目標とする先進国では、設計の傾向が異なることが明らかとなった。
これらの考察を経て、CBDCの構造は国家としての体制を反映するものであり、これからの時代に国家という存在がどのように変容していくのかを象徴的に表章するという示唆を得た。


【本助成についての感想】

学際的な課題に関して比較調査研究を実施する貴重な機会を与えていただきましたことに心より感謝を申し上げます。