【研究者】
横浜国立大学 大学院 工学研究院 小島 駿 助教
【研究テーマ】
高効率な非直交多元接続方式の開発
【研究期間】
2022.4.1〜2025.3.31
【研究報告サマリー】
本研究では、次世代の高速・大容量な無線通信技術の実現に資する高効率な非直交な通信方式の確立を目指し、1) スペクトル有効周波数分割多重方式(SEFDM)における高性能・低計算な復号アルゴリズムの提案、2) 周波数シンボル拡散と直交時間周波数空間変調(OTFS)を応用した通信性能高度化手法の開発、を実施した。
1)では、SEFDMにおける課題であるシンボル間干渉の影響を抑制する復号方式を適用することで、計算量を抑えつつ、高度な復号性能を実現している。また、この知見を発展させ、2)ではOTFSにおける信号復号に応用することで、通信性能の高度化を達成可能なことを明らかにした。これらの方式について、理論解析・シミュレーションによる評価を通し、提案方式の有効性を検証した。加えて、USRPを用いた簡易的な実機実験系を構築し、初期的な伝送実験からその実用可能性を検証した。
【本助成にかかわる成果】
- Spectrally Efficient Frequency Division Multiplexing with QRM-MLD for Rician Fading Channel
- ランダムDFT拡散スペクトル有効周波数分割多重と期待値伝播法に基づく低計算量復調法
- スペクトル有効周波数分割多重における深層学習を用いた通信環境推定の検討
- ハール・プリコーティングを用いる大規模スペクトル有効周波数分割多重と期待値伝播法に基づく並列干渉除去復調法の性能評価
【本助成についての感想】
本研究に対し、研究助成をいただきまして心より感謝申し上げます。今回得られた知見を発展させ、さらに研究を進めていきたいと考えております。