当財団の「調査研究助成」プログラムにて助成した研究者の方々の報告書のサマリーをご紹介いたします
【研究者】山形大学大学院理工学研究科 齊藤 敦教授
【研究テーマ】送信用超伝導フィルタの開発
【研究期間】2016.4.1~2018.3.31
【サマリー】
近年の高度情報化社会における移動体通信技術の進展のために、早急な送信用超伝導フィルタの開発とその実用化が望まれている。我々は、超伝導バルク共振器を用いた送信用超伝導フィルタを提案し、実用化に向けた研究と開発を行ってきた。2016年度 KDDI 財団の調査研究助成に採択され、急峻なスカート特性と高い耐電力特性を併せ持つフィルタの実現を目指して研究を行った。研究成果として、まず4段 CQ フィルタの最適形状を明らかに出来た。これは、フィルタ内での飛越結合を高誘電率セラミクスにより実現し、その微妙な結合状態を近傍のトリミングロッドで調整するという新しい挑戦の成果である。また、周波数特性の調整に有効な外部Q 値調整機構についても新たに提案し、実験検証による有効な知見を得ることができた。さらに、高誘電率セラミクスを用いない8段CQフィルタを実現できる知見を得ることができた。
※齊藤先生の今後のさらなるご活躍をお祈りいたします