当財団の「調査研究助成」プログラムにて助成した研究者の方々の報告書のサマリーをご紹介いたします
【研究者】 新潟大学 人文学部 中村 隆志教授
【研究テーマ】 ウェアラブル端末:非言語行動と社会的承認
【研究期間 】2015.4.1〜2018.3.31
【サマリー】本テーマでは、ウェアラブル端末、中でもメガネ型端末の着用に対する観察者の許容度、あるいは嫌悪感を調査し、非言語行動と関連づけながら考察を行っている。ウェアラブル端末(メガネ型端末)の利用行動を非言語的な行動と捉え、ケータイ(携帯電話)利用との対比において、文化比較との観点から、その利用意識について考察を行った。メガネ型端末が持つ秘匿的な情報取得行動は、秘匿的な情報取得行動を伴うケータイ利用行動との相関が見られ、さらに日米の文化的な差異の影響下にあることが確認された。このことは、メガネ型端末が提供する便利さとは裏腹に、その利用行動は儀礼性を欠いており、社会的に承認される見込みが薄いことを示している。メガネ型端末においては、インターフェース、視認性、操作性、あるいはプライバシーへの配慮などが問題になりがちであるが、本研究では、人々が対面する場面における儀礼性の欠如こそが問題であると結論づける。
*中村先生の今後のますますのご活躍をお祈りいたします。